家系図

今日のポイントの1やでねえ

戸籍をすすっと取れやあ、後はわりと楽やで


2-1.家系図のつくり方

 

1.戸籍等の取寄せ

家系図の作成は、戸籍等を収集することから始めます。(過去帳・位牌・分限帳・宗門人別帳など戸籍以上の調査は、今回は除外しています)

・戸籍等の種類

戸籍等は、戸籍・除籍・改製原戸籍をいいます。

・戸籍: 通常の戸籍(現戸籍)。
・除籍: 除籍や死亡などによって、記載されている人が誰もいなくなった戸籍。「空の戸籍」。
・改製原戸籍: 戸籍法の改正によって新様式への転記が行われた際の、以前の様式の戸籍。

※現在の戸籍「現戸籍」を「げんこせき」 というのに対し、「原戸籍」も「げんこせき」と読んでしまうと、混同しますので、「原戸籍」を「はらこせき」と読みます。

 

除籍や改製原戸籍には、記載ミスや改製時の転記ミスなどの不備、届け出る側が届出ルールを守らなかったりで、戸籍の記載が必ずしも正しい事実を反映しているとはいえない部分もあります。

また、昔の筆記用具で・昔の文字で・相当な達筆で書かれているため、古文書を解読とまではいきませんが、判読するのに一苦労を要します。しかし、祖先を調べるには、戸籍等を利用するのが一番ですので、なんとかするしかありません。

戸籍等の種類については、自分が欲しい戸籍等の内容を説明することさえできれば、あとは役所の方が親切に教えてくれます。 ただ、この3種類の区別が分かっていると、役所の方の説明が理解しやすので、戸籍等の基礎知識として軽く知っておいてください。

 

・戸籍等の年式・様式

これも戸籍等の種類と同じで、しっかり分かっている必要はありません。なんとなく知っているという程度で大丈夫です。

・明治5年式(壬申戸籍・これは現在取得できません)

・明治19年式(これが現在取得できるもっとも古いものです)

・明治31年式

・大正4年式

・昭和23年式

・平成6年式(コンピュータ式「全部事項証明書」)

 

・戸籍等を請求できる範囲

戸籍等を請求できる人の対象範囲には、法律上一定の制限があり、誰の戸籍等でも自由に請求できるというわけではありません。厳格に守られていますから安心してください。

■誰の戸籍等なら請求できるか(戸籍等を請求できる範囲)
 ・戸籍等に記載されている本人自身
 ・戸籍等に記載されている人の直系尊属または直系卑属などの直系親族
 ・戸籍等に記載されている人の配偶者


・戸籍等の請求方法

■戸籍等の管理は各本籍地の市町村でしています。取得したい戸籍等を管理する役場に請求します。

戸籍等の請求方法として、

・窓口での申請

・郵送による申請

があります。
  最近では大半の市区町村がウェブサイトで申請方法を公開していますので、調べると良いです。

本籍地が遠方にある場合には郵送による申請が便利ですが、直接窓口へ行かれるのも、楽しみの一つです。その場でざっと目を通して、読めない字や地名、現在の住所ではどこなのか、その辺りは当時どのような場所だったのか、誰に聞くと詳しいのかなど、電話ではなかなか聞けないような情報を、楽しく会話しながら手に入れていくことが出来ます。家系図を作って祖先のことを調べる上で、実はこれは相当大切なことなのです。出来ることなら是非直接出かけて行って、現場で取得なさる方法をお勧めします。

 

■一般的な市町村で、戸籍等の窓口での請求に必要なもの
・戸籍証明等交付申請書
・運転免許証などの身分証明証
・証明書交付手数料
・自分以外の戸籍等を請求する場合には、その戸籍等に記載されている人と自分の関係を証明できるもの(戸籍等)

 ※既に判明している分で系図を作っておくと便利です。

 

■戸籍等の郵送による請求に必要なもの
 郵送による請求の場合には、上の4点と合わせて5・6点目の返信用封筒・定額小為替を同封します。
 ・返信用の封筒に住所・宛名を記載し、切手を貼付したもの

・証明書交付手数料(必要な金額分の定額小為替)

 

この際、全ての書類で、繋がりが確認できるようになっていることを確かめてください。

  1. 返信用封筒の宛名と住所が、身分証明書(免許証)の氏名・現住所と合致している、

  2. 自分の載っている戸籍の、自分の氏名・生年月日が、身分証明書のものと合致している、

  3. その戸籍上に記載のある親とその次の除籍に記載の親が合致している・・・、

    といった具合に、役所の方に自分の直系尊属で間違いないという事を証明できるようにしてないと、後から追加の資料を郵送しなければならないことになります。これは窓口で請求する場合も、同様です。

     

※除籍の保存期間が80年→150年に

■法律によって除籍の保存期間は、80年と定められていました。

これは、「80年を過ぎれば必ず廃棄される」ということではなく、保存期間である80年を過ぎれば、いつ廃棄しても市町村の自由という事を意味します。この点についての市町村の対応はまちまちで、除籍となってからジャスト80年で廃棄しているところもあれば、そうでないところもありました。
 しかし、平成22年6月1日から除籍の保存期限が80年→150年に、戸籍法施行規則の改正により伸長されました。

今から150 年前は1865 年です。 明治の初めに除籍簿になっているご先祖の除籍が廃棄されるのはそう遠い先のことではありません。また、震災・火災・戦災・水害等によって失われている場合もあります。しかし、今取得しておけば、デジタル化された今後はもう心配ないのではないかと思っています。

大切なご先祖様の記録が失われないうちに、戸籍等の取得だけでもされておく事を強くお勧めします。


2.何系統の家系図を作成するか

■家系図を作成するときに大切なのは「系統」という概念を理解しておくことです。

というのも、あらかじめどの範囲で何系統の家系図を作成するのかを決めていないと、調査の範囲が際限なく広がってしまうからです。

1.まず、自分の苗字(系統)は1つです。

2.次に、父母の世代では、今名乗っている苗字(父親)と、婚姻によって姓を変えた人(母親)の

苗字、計2つの苗字(系統)があります。

3更に上の祖父母の世代では、同じように考えると計4つの苗字(系統)があることになります。
曾祖父母では計8つの苗字、高祖父母では計16の苗字・・・倍々で増えていくとなると、取り寄せる戸籍も際限なく広がり、コピー用紙に上手く収まりきらなくなってしまいます。

そこで通常は、どの苗字を遡るのかをあらかじめ定めてから戸籍調査に入ります。

私は自分の両親とそのそれぞれの両親、その上は父方とその妻という形を採っています。が、調べていく過程で興味を持った「妻」がいた場合は、その両親を手繰ることもしました。系図には記載しませんでしたが、除籍や改製原戸籍は取得して調べ、自分史には反映するとか、その部分だけ別途に系図を作成しても良いと思います。

養子縁組があった場合。「家系」を遡るのが家系図ですので、「家」を手繰ることが基本です。ですが、目的や思いによって、自由に選択してください。それが一番大切です。

 

 

3.家系図の書き方~家系図の書き方の一般的な決まり~

家系図の書き方には、いくつかの守った方が良い一般的なルールがあります。 これを守っていないと、書いた人でさえ読めないような系図になってしまいます。守っていれば、誰でも読むことが出来ます。

■家系図の書き方~続柄の表記方法~
.親子(縦のつながり)は1重線、夫婦(横のつながり)は2重線で表記する。
 正妻でない場合は1重線で表記することもあります。この点は状況に応じて臨機応変にしましょう。
.夫婦は、夫を右に妻を左に表記する。
.子供が複数いる場合には性別に関わらず、生まれた順に右から表記する。
.後妻がいる場合には、「後妻=先妻=夫」あるいは「後妻=夫=先妻」と配置する。
.実子は縦一重線、養子は縦二重線で表記する

つまり、契約の関係は二重線、血のつながりは一重線といった感じです。

基本的に上記のルールを全て守って表記することが望ましいのですが、家系が複雑な場合など、全てのルールを守っていると、ラインが複雑にクロスしてしまい、かえってわかりづらくなるということもあります。
 そのような場合には、ある程度ルールを守りながら、臨機応変に表記方法を工夫するということも必要です。

■家系図の書き方~縦系図の表記方法~
 ・同じ世代は同じ段になるように表記する
 ・「世代間を段で分け、同一世代の段を揃え分かり易くする。」「子は生まれ順に右から表記する」という基本的な家系図の書き方を守りながら、無理がある場合には柔軟に対処する。

 今回はこちらをお勧めします。戸籍等から拾える範囲でA3サイズに収めるのに丁度よい表現方法です。

■家系図の書き方~横系図の表記方法~
 ・嫡子(次期家督相続者)は次の代に送る。家督相続者の左に書くのは嫡子以外の子供で、生まれ順に右から表記する。

 こちらは書く方も読む方も大変です。巻物にして、代々つないでゆくような場合に便利な方法です。巻物自体をつぎはぎして伸ばし、系図もどんどん書き足してゆくことが出来ます。複数の系統を記載することは、ちょっと無理です。特に系統間に複数のつながりがあるような場合には、無理して書いても、読みにくい、複雑なものになってしまいます。

 

 

4.系図(縦系図。全部掲載・4系統掲載)

・全部掲載

全部を掲載しようとすると、このように窮屈になってしまい、文字もとても小さくなってしまいます。余程大きく表現できる場合を除いては、やめておいた方が無難です。養子があったり、複雑な婚姻関係が有ったりすると、表現しきれなくなってしまいます。

4系統掲載

こちらはすっきりしています。A3用紙に印刷するのにぴったりです。

多少の余裕があるので、自由に書き足したりすることも可能です。

縦系図のサンプルを付けました。全部掲載の場合と、4系統掲載の場合

 

 

5.額に入れる。巻物にする。

・額 私は(A3大)サイズの額に入れて掲示しています。A3のレーザープリンタ用の和紙に印刷し、バックにも色柄模様の和紙を敷いています。A3大サイズの額は、A3よりも一回り大きいサイズで、A3サイズの家系図の周りに数センチ空きが出来ます。その数センチの隙間に、バックの色柄模様の柄が縁取っているように見えます。立派なものが出来ますので、少し値の張る額に入れてご自宅のそれらしい場所、居間や床の間などに掛けてください。

・巻物 巻物は、書道用の仮巻に、長尺のレーザープリンタ用和紙にカラーレーザープリンタで印刷したものを張り付けています。こちらは紙面に余裕がありますので、直接知っている従弟なども載せたり、生没年月日を記載したり、また顔写真を張ったりできます。

※是非、家紋を調べて、家系図・系譜・表紙等に入れてください。とても美しく仕上がります。お墓へ行くと、墓石に刻んであることが多いです。写真に撮って帰り、インターネットなどで調べてください。

 

 

 

※戸籍等の取得には相当の費用が掛かりますが、完成後、必ず「やってよかった」となります。やらずにいたとしたらと思うとぞっとする、と、そうお感じになる筈です。ですから別の御趣味に費やすためのお時間とお金がおありになるのでしたら、是非これにつぎ込んでください。後悔することはないです。素敵な感動が皆さまを待っています。

 


家系図 書き方 4系統 子孫に継ぐ系譜 祖先から書き起こす自分史

 

 

 

 

 

 

 

 

 ※左の全部掲載図の✖部分を削除すると、下の4系統掲載図のようにすっきりします。

※面倒でも、必ず上下がまっすぐになるように配置してください。

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